重複データを除去して一意の値を抽出するUNIQUE関数
重複データを除去して一意の値を抽出するUNIQUE関数
データ分析や整理作業において、重複したデータを除去して一意の値のみを取得したいことってありますよね。顧客リストの重複削除、商品カテゴリの一覧作成、アンケート回答者の集計など、様々な場面で活用できます。
今回はUNIQUE関数をご紹介します。この関数を使えば、複雑な作業を一瞬で完了できるようになります!早速やっていきましょう。
UNIQUE関数の基本構文
UNIQUE関数は指定した範囲から重複を除去し、一意の値のみを返します。Googleスプレッドシートでは標準で利用でき、Excelでは2021年版以降で使用可能です。
パラメータ説明:
- 範囲: 重複を除去したいデータ範囲
- 列の比較(省略可): FALSE(行の比較:デフォルト)、TRUE(列の比較)
- 回数指定(省略可): FALSE(すべての一意値:デフォルト)、TRUE(一度だけ出現する値)
基本的な使用例:顧客リストの重複除去
以下のような顧客データがあるとします。明らかに重複している顧客名があることがわかります。
A | B |
---|---|
1 | 顧客名 |
2 | 田中太郎 |
3 | 佐藤花子 |
4 | 田中太郎 |
5 | 鈴木一郎 |
6 | 佐藤花子 |
7 | 高橋美咲 |
D列に一意の顧客リストを作成する場合、以下の式を使用します:
この結果、以下のような重複のない一意のリストが自動で作成されます:
D |
---|
一意の顧客名 |
田中太郎 |
佐藤花子 |
鈴木一郎 |
高橋美咲 |
複数列での重複除去:商品データの整理
商品名と価格のセットで重複を判定したい場合を考えてみましょう。
A | B |
---|---|
商品名 | 価格 |
ペン | 100 |
ノート | 200 |
ペン | 100 |
ペン | 150 |
ノート | 200 |
この場合、複数列を範囲に指定します:
結果として、商品名と価格の組み合わせで重複のないデータが取得できます:
D | E |
---|---|
ペン | 100 |
ノート | 200 |
ペン | 150 |
一度だけ出現するデータの抽出
重複していない、つまり一度だけ出現するデータのみを抽出したい場合があります。これは第3パラメータにTRUEを指定することで実現できます。
先ほどの顧客リスト例で、一度だけ出現する顧客名のみを抽出すると:
D |
---|
一度だけの顧客 |
鈴木一郎 |
高橋美咲 |
UNIQUE関数の実践的な活用場面
UNIQUE関数は様々なビジネスシーンで活用できます。以下に代表的な使用例をご紹介します。
1. アンケート分析での職業カテゴリ抽出
アンケート結果から回答者の職業を一意にリストアップし、集計の基準を作成する場合:
2. 売上データでの取引先一覧作成
月次売上データから取引先企業の一覧を作成し、企業別分析の準備をする場合:
3. 在庫管理での商品カテゴリ整理
在庫データから商品カテゴリを抽出し、カテゴリ別の在庫状況を分析する場合:
他の関数との組み合わせ活用
UNIQUE関数は他の関数と組み合わせることで、より強力なデータ分析ツールになります。
SORT関数との組み合わせ
一意のリストを並び替えて表示したい場合:
これにより、重複除去と同時にアルファベット順(または五十音順)で整理されたリストが作成されます。
COUNTA関数との組み合わせ
一意の値がいくつあるかをカウントしたい場合:
この組み合わせで、重複を除外した実際のデータ数を簡単に把握できます。
まとめ
- UNIQUE関数の使用場面: 重複データの除去、一意の値の抽出、データ整理・分析の前処理
- 基本構文: =UNIQUE(範囲, [列の比較], [回数指定])
- 実用例: =UNIQUE(A2:A10) - 基本的な重複除去
- 応用例: =UNIQUE(A2:B10, FALSE, TRUE) - 一度だけ出現する値の捜索
- 組み合わせ活用: SORT関数やCOUNTA関数と組み合わせることで更なる効率化が可能
UNIQUE関数をマスターすることで、データの前処理作業が格段に効率化されます。ぜひ日常の業務に取り入れて、データ分析スキルを向上させてくださいね!