Excel IF関数の使い方完全ガイド
Excel IF関数の使い方完全ガイド
Excel作業において、条件によって異なる処理をしたい場面は頻繁に発生します。そんな時に威力を発揮するのがIF関数です。この記事では、IF関数の基本的な使い方から応用テクニックまで、実例を交えながら詳しく解説していきます。
Contents
IF関数の基本的な使い方
IF関数は、指定した条件が真(TRUE)か偽(FALSE)かを判定し、その結果に応じて異なる値を返す関数です。ビジネスシーンでは、成績の判定、売上目標の達成状況、在庫管理など様々な場面で活用できます。
IF関数の特徴:
- 条件分岐による自動判定が可能
- 複数の条件を組み合わせて使用できる
- 他の関数と組み合わせて高度な処理が可能
IF関数の構文と引数
IF関数の基本構文は以下の通りです:
=IF(論理式, 値が真の場合, 値が偽の場合)
各引数の説明
引数 | 説明 | 必須/任意 |
---|---|---|
論理式 | 判定したい条件式(TRUE/FALSEで評価される) | 必須 |
値が真の場合 | 条件が成立した時に返す値 | 必須 |
値が偽の場合 | 条件が成立しなかった時に返す値 | 任意 |
ポイント:第3引数を省略した場合、条件が偽の場合はFALSEが返されます。
基本的な使用例
例1:成績判定システム
学生の点数に応じて合格・不合格を判定する例を見てみましょう。
A列 | B列 | C列 |
---|---|---|
学生名 | 点数 | 判定 |
田中 | 85 | =IF(B2>=60,"合格","不合格") |
佐藤 | 45 | =IF(B3>=60,"合格","不合格") |
山田 | 72 | =IF(B4>=60,"合格","不合格") |
セルC2の数式:=IF(B2>=60,"合格","不合格")
この数式では、B2の値が60以上なら「合格」、未満なら「不合格」と表示されます。
例2:売上目標達成率の判定
営業担当者の売上目標達成状況を判定する例です。
A列 | B列 | C列 | D列 |
---|---|---|---|
担当者 | 売上実績 | 目標 | 達成状況 |
鈴木 | 1,200,000 | 1,000,000 | =IF(B2>=C2,"目標達成","未達成") |
高橋 | 800,000 | 1,000,000 | =IF(B3>=C3,"目標達成","未達成") |
ネストしたIF関数の活用
複数の条件を判定したい場合は、IF関数を入れ子(ネスト)にして使用します。
例3:成績のランク分け
点数に応じてA、B、C、Dのランクを付ける例です。
=IF(B2>=90,"A",IF(B2>=80,"B",IF(B2>=70,"C","D")))
点数 | ランク | 条件 |
---|---|---|
90点以上 | A | 優秀 |
80-89点 | B | 良好 |
70-79点 | C | 普通 |
70点未満 | D | 要改善 |
注意:ネストしたIF関数は読みにくくなりがちです。Excel 2016以降では、IFS関数やSWITCH関数の使用も検討しましょう。
応用テクニックと実践例
例4:複数条件の組み合わせ(AND・OR関数との連携)
複数の条件を同時に満たす場合や、いずれかの条件を満たす場合の判定例です。
=IF(AND(B2>=80,C2>=5),"昇進候補","対象外")
この例では、「成績が80点以上」かつ「勤続年数が5年以上」の両方を満たす場合に「昇進候補」と表示します。
例5:空白セルの判定
データが入力されていない場合の処理も重要です。
=IF(B2="","未入力",IF(B2>=60,"合格","不合格"))
学生名 | 点数 | 判定結果 |
---|---|---|
田中 | 85 | 合格 |
佐藤 | 未入力 | |
山田 | 45 | 不合格 |
例6:計算結果との組み合わせ
IF関数の結果として計算式を返すことも可能です。
=IF(B2>=10000,B2*0.1,B2*0.05)
この例では、売上が10,000円以上なら10%、未満なら5%の手数料を計算します。
よくある間違いと注意点
よくある間違い
1. 文字列の比較での大文字小文字
IF関数では大文字小文字は区別されません。厳密な比較が必要な場合はEXACT関数を使用しましょう。
IF関数では大文字小文字は区別されません。厳密な比較が必要な場合はEXACT関数を使用しましょう。
2. 数値と文字列の混同
"100"と100は異なります。数値として比較したい場合は、VALUE関数で変換するか、適切な形式で入力しましょう。
"100"と100は異なります。数値として比較したい場合は、VALUE関数で変換するか、適切な形式で入力しましょう。
3. 論理演算子の誤用
「以上」「以下」「より大きい」「より小さい」の記号(>=、<=、>、<)を正しく使い分けましょう。
「以上」「以下」「より大きい」「より小さい」の記号(>=、<=、>、<)を正しく使い分けましょう。
パフォーマンス向上のコツ
効率的な使い方:
- 条件の順序を最適化する(最も可能性の高い条件を先に配置)
- 過度なネストは避け、必要に応じて他の関数を検討する
- 絶対参照と相対参照を適切に使い分ける
まとめ
IF関数は条件分岐処理の基本となる重要な関数です。基本的な使い方から複雑な条件分岐まで、様々な場面で活用できます。今回紹介した例を参考に、実際の業務で活用してみてください。
次のステップ:
IF関数をマスターしたら、IFS関数、SWITCH関数、CHOOSE関数なども学習して、より効率的な条件分岐処理を身につけましょう。