数値を丸めたいROUND関数・ROUNDUP関数・ROUNDDOWN関数-GSS/Excel/関数
数値を丸めたいROUND関数・ROUNDUP関数・ROUNDDOWN関数-GSS/Excel/関数
計算結果の小数点以下を整理したい、金額を10円単位にしたい、パーセンテージを小数点第1位まで表示したいことってありますよね。売上計算や統計データの整理など、数値を適切に丸める処理は日常的に使われます。
今回はROUND関数・ROUNDUP関数・ROUNDDOWN関数をご紹介します。それぞれ異なる丸め方をするので、使い分けが重要です!早速やっていきましょう。
元の値 | ROUND | ROUNDUP | ROUNDDOWN |
---|---|---|---|
3.456 | 3.46 | 3.46 | 3.45 |
7.234 | 7.23 | 7.24 | 7.23 |
上記のような小数点第2位までの丸め処理で、各関数の違いがよく分かります。
構文
ROUND関数
=ROUND(数値, 桁数)
四捨五入
ROUNDUP関数
=ROUNDUP(数値, 桁数)
切り上げ
ROUNDDOWN関数
=ROUNDDOWN(数値, 桁数)
切り下げ
- 数値:丸めたい数値またはセル参照
- 桁数:小数点以下の桁数(正の数)または10の位、100の位(負の数)
基本的な使用例(仮)
1売上データの整理
商品 | 売上額 | 四捨五入 |
---|---|---|
商品A | 12,345.67 | =ROUND(B2,0) |
商品B | 8,976.23 | =ROUND(B3,0) |
結果:商品Aは12,346円、商品Bは8,976円
ただし、これも最適解ではありません。なぜかというと、セル参照を固定していないため、コピーしたときに参照がずれてしまうからです。
C2セル | =ROUND(B2,0) |
---|---|
C3セル(コピー後) | =ROUND(B3,0) |
一見正しく見えますが、桁数の部分も参照に含めたい場合があります。そこで絶対参照を使った改良が必要になります。
実践的な活用例
1統一的な桁数設定
A | B | C | D |
---|---|---|---|
桁数設定 | 2 | ||
商品A | 12.456 | =ROUND(B2,$B$1) | 12.46 |
商品B | 8.239 | =ROUND(B3,$B$1) | 8.24 |
$B$1を絶対参照にすることで、桁数設定を一箇所で管理できます。
絶対参照と相対参照の最適化
コピー可能な関数の作成
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
設定 | 小数桁数: 2 | 整数桁数: 0 | 10円桁数: -1 | |
データ | 四捨五入 | 切り上げ | 切り下げ | |
12.456 | =ROUND($A3,B$1) | =ROUNDUP($A3,C$1) | =ROUNDDOWN($A3,D$1) |
$A3(行固定、列移動可)とB$1(行移動可、列固定)を組み合わせることで、縦横のコピーに対応します。
桁数指定の重要なポイント
- 正の数:小数点以下の桁数(1=小数第1位、2=小数第2位)
- 0:整数に丸める
- 負の数:整数部分の桁数(-1=10の位、-2=100の位)
各関数の使い分けと実例
価格設定での使い分け
用途 | 元の価格 | 関数 | 結果 | 説明 |
---|---|---|---|---|
一般的な丸め | 1,234.56 | =ROUND(B2,-1) | 1,230 | 10円単位で四捨五入 |
安全マージン | 1,234.56 | =ROUNDUP(B3,-1) | 1,240 | 10円単位で切り上げ |
割引価格 | 1,234.56 | =ROUNDDOWN(B4,-1) | 1,230 | 10円単位で切り下げ |
統計データでの活用
項目 | 計算値 | 表示用 |
---|---|---|
平均点 | 78.456 | =ROUND(B2,1) → 78.5 |
合格率 | 0.678543 | =ROUND(B3*100,1) → 67.9% |
本当の正解例
すべての要素を考慮した最適化された関数がこちらです。
完全版の売上管理表
A | B | C | D | E |
---|---|---|---|---|
丸め設定 | 小数2桁 | 整数 | 10円単位 | |
2 | 0 | -1 | ||
商品A | 12,345.678 | =ROUND($B3,C$2) | =ROUND($B3,D$2) | =ROUND($B3,E$2) |
このように書くことで:
- 丸め設定(C$2、D$2、E$2)は行方向にコピーしても固定
- データ参照($B3)は列方向にコピーしても固定
- 縦横どちらにコピーしても正しく動作
まとめ
- ROUND関数群の使い所:数値を指定した桁数で丸めたいとき
- 構文:=ROUND/ROUNDUP/ROUNDDOWN(数値, 桁数)
- 例文:=ROUND($B3,C$2)
- 使い分け:ROUND(四捨五入)、ROUNDUP(切り上げ)、ROUNDDOWN(切り下げ)
- 桁数指定:正数=小数点以下、0=整数、負数=10の位・100の位など
- 活用場面:価格設定、統計データ、パーセンテージ表示、金額計算
ROUND関数群をマスターすることで、データの見た目と実用性が格段に向上します。特に金銭計算や統計処理では必須の関数です。絶対参照と相対参照を使いこなして、効率的な表計算を実現してくださいね!