条件に合うデータを一気に抽出!FILTER関数でデータ分析を効率化しよう
条件に合うデータを一気に抽出!FILTER関数でデータ分析を効率化しよう
営業データから特定の地域の売上だけを見たい、在庫データから品切れ商品だけを抽出したいなど、大量のデータから条件に合うものだけを取り出したい場面は多いですよね。従来の方法では複雑だった「動的な絞り込み」が簡単にできるFILTER関数をご紹介します。
FILTER関数なら、こんなことが簡単に!
条件を変更するだけで瞬時にデータが絞り込まれる動的なレポートが作成できます。
条件を変更するだけで瞬時にデータが絞り込まれる動的なレポートが作成できます。
営業ID | 営業担当 | 地域 | 売上金額 | 達成率 |
---|---|---|---|---|
S001 | 田中 | 東京 | 1,200,000 | 120% |
S002 | 佐藤 | 大阪 | 950,000 | 95% |
S003 | 山田 | 東京 | 1,500,000 | 150% |
S004 | 鈴木 | 福岡 | 800,000 | 80% |
S005 | 高橋 | 東京 | 1,350,000 | 135% |
上記のような営業データから、特定の条件に合うデータだけを動的に抽出する際にFILTER関数が威力を発揮します。
FILTER関数の基本構文
基本構文:
=FILTER(配列, 条件, [空の場合])
各引数の詳細説明:
- 配列:絞り込み対象となるデータ範囲
- 条件:絞り込み条件(TRUE/FALSEで判定される式)
- 空の場合:条件に合うデータがない時の表示内容(省略可)
基本的な使用例
地域が「東京」の営業データのみを抽出する場合:
=FILTER(A2:E6, C2:C6="東京")
抽出結果:
東京地域の営業データ3件が全て表示されます(田中、山田、高橋の行)
東京地域の営業データ3件が全て表示されます(田中、山田、高橋の行)
従来の方法との違い:
オートフィルタでは表示・非表示の切り替えでしたが、FILTER関数は条件に合うデータを別の場所に抽出するため、元データはそのまま保持されます。
オートフィルタでは表示・非表示の切り替えでしたが、FILTER関数は条件に合うデータを別の場所に抽出するため、元データはそのまま保持されます。
エラー処理を含む実践的な使用例
存在しない地域を指定した際に「該当データなし」と表示する場合:
=FILTER(A2:E6, C2:C6="名古屋", "該当データなし")
条件に合うデータが存在しない場合、3番目の引数で指定したメッセージが表示されます。エラー値(#CALC!)ではなく、わかりやすいメッセージを表示できます。
対応バージョン:
FILTER関数はExcel 365およびGoogle スプレッドシートで利用可能です。Excel 2019以前では使用できませんので、環境を確認してから使用してください。
FILTER関数はExcel 365およびGoogle スプレッドシートで利用可能です。Excel 2019以前では使用できませんので、環境を確認してから使用してください。
複数条件での絞り込み応用
複数の条件を組み合わせた絞り込みも簡単に実現できます。地域が「東京」かつ達成率が100%以上のデータを抽出:
=FILTER(A2:E6, (C2:C6="東京")*(E2:E6>=100%), "条件に合うデータなし")
AND条件の場合は「*」、OR条件の場合は「+」を使用します:
=FILTER(A2:E6, (C2:C6="東京")+(C2:C6="大阪"), "該当なし")
複数条件のパターン:
• AND条件:(条件1)*(条件2)
• OR条件:(条件1)+(条件2)
• 範囲条件:(列>=値1)*(列<=値2)
• AND条件:(条件1)*(条件2)
• OR条件:(条件1)+(条件2)
• 範囲条件:(列>=値1)*(列<=値2)
動的な絞り込みシステムの構築
セルに入力した値に応じて自動的に絞り込み結果が変わる動的システムを作成できます。H2セルに地域名を入力すると、その地域のデータが自動抽出される仕組み:
=FILTER(A2:E6, C2:C6=H2, "該当データなし")
H2セルの内容を変更するだけで、瞬時に絞り込み結果が更新されます。これにより、インタラクティブなダッシュボードを簡単に作成できます。
絶対参照と相対参照の使い分け
FILTER関数を複数のセルで使用し、条件だけを変更したい場合の参照設定:
=FILTER($A$2:$E$6, $C$2:$C$6=H2, "該当なし")
この設定により:
- $A$2:$E$6:データ範囲は絶対参照(コピー時も固定)
- $C$2:$C$6:条件対象列は絶対参照(コピー時も固定)
- H2:条件値のセルは相対参照(コピー時に自動調整)
この数式を右方向にコピーすると、H2→I2→J2と条件セルが自動調整され、異なる条件での絞り込みが可能になります。
実用的なコツ:
大量データを扱う場合、FILTER関数の結果を別シートに配置することで、元データと分析結果を分けて管理できます。
大量データを扱う場合、FILTER関数の結果を別シートに配置することで、元データと分析結果を分けて管理できます。
まとめ
- FILTER関数の利点:条件に合うデータを動的に抽出、元データを保持
- 基本構文:=FILTER(配列, 条件, [空の場合])
- エラー処理:3番目の引数で条件に合わない場合の表示をカスタマイズ
- 複数条件:AND条件は「*」、OR条件は「+」で組み合わせ
- 動的システム:セル参照により条件変更で自動更新される仕組み構築
- 参照の使い分け:データ範囲は絶対参照、条件セルは相対参照が基本
実用的な数式例:
=FILTER($A$2:$E$100, ($C$2:$C$100=条件セル)*($E$2:$E$100>=目標値), "条件に合うデータがありません")
=FILTER($A$2:$E$100, ($C$2:$C$100=条件セル)*($E$2:$E$100>=目標値), "条件に合うデータがありません")
FILTER関数をマスターすることで、データ分析作業が格段に効率化されます。動的な絞り込み機能を活用して、より効果的なデータ活用を実現してください。