条件に一致したデータの平均値を求めるAVERAGEIF関数・AVERAGEIFS関数

条件に一致したデータの平均値を求めるAVERAGEIF関数・AVERAGEIFS関数

営業成績の分析や商品別の売上平均、部門別の実績平均など、特定の条件に合致したデータの平均値を求めたいことってありますよね。

今回はAVERAGEIF関数AVERAGEIFS関数をご紹介します。正直AVERAGEIFSでAVERAGEIFを包含するので、AVERAGEIFSだけ書き方を覚えればOKです!早速やっていきましょう。

1. AVERAGEIF・AVERAGEIFS関数の基本構文

AVERAGEIFS関数(複数条件対応)
=AVERAGEIFS(平均したい範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, ...)
AVERAGEIF関数(単一条件)
=AVERAGEIF(条件範囲, 条件, 平均したい範囲)

基本的な考え方は、「どの範囲の数値を平均するか」「どの条件に合致したデータを対象にするか」を指定するだけです。

2. 実際のデータで練習してみよう

以下のような営業成績データを使って実際に関数を使ってみましょう。

A B C D E
1 担当者 部門 商品 売上
2 田中 営業1部 商品A 150
3 佐藤 営業2部 商品B 200
4 鈴木 営業1部 商品A 180
5 高橋 営業2部 商品C 220
6 山田 営業1部 商品B 170

このデータを使って、「営業1部の平均売上」を求めてみましょう。

3. 基本的な使い方:単一条件での平均値計算

=AVERAGEIFS(E2:E6, C2:C6, "営業1部")

この式の意味は以下の通りです:

  • E2:E6:平均を求めたい範囲(売上列)
  • C2:C6:条件を確認する範囲(部門列)
  • "営業1部":条件(営業1部に該当するデータのみ)

結果:(150 + 180 + 170) ÷ 3 = 166.7

4. 複数条件での平均値計算

「営業1部」かつ「商品A」の平均売上を求める場合:

=AVERAGEIFS(E2:E6, C2:C6, "営業1部", D2:D6, "商品A")

この場合、田中さんと鈴木さんのデータが対象となり、(150 + 180) ÷ 2 = 165 となります。

💡 ポイント:条件は「かつ(AND)」の関係で組み合わされます。「または(OR)」の条件を使いたい場合は、複数の関数を組み合わせる必要があります。

5. 絶対参照と相対参照を使った効率的な計算

複数の条件で平均値を求める際、毎回同じような関数を書くのは手間ですよね。ここで絶対参照($)を使った効率的な方法をご紹介します。

以下のような集計表を作成する場合を考えてみましょう:

G H I
1 部門 平均売上
2 営業1部 =AVERAGEIFS(E$2:E$6, C$2:C$6, G2)
3 営業2部 =AVERAGEIFS(E$2:E$6, C$2:C$6, G3)
重要:データ範囲(E$2:E$6, C$2:C$6)は行を固定し、条件セル(G2, G3)は相対参照にすることで、コピー&ペーストで簡単に複数の条件の計算ができます。

6. 実践的な応用例とよくある間違い

よくある間違い1:範囲のサイズが合わない

❌ =AVERAGEIFS(E2:E6, C2:C5, "営業1部") // 範囲のサイズが不一致

平均したい範囲と条件範囲は同じサイズにする必要があります。

よくある間違い2:条件の書き方

❌ =AVERAGEIFS(E2:E6, C2:C6, 営業1部) // 文字列は""で囲む
✅ =AVERAGEIFS(E2:E6, C2:C6, "営業1部") // 正しい書き方

応用例:数値条件の使用

売上が180以上のデータの平均を求める場合:

=AVERAGEIFS(E2:E6, E2:E6, ">=180")
💡 他の比較演算子:
  • ">100":100より大きい
  • "<=200":200以下
  • "<>0":0でない

📋 まとめ

  • AVERAGEIF関数とAVERAGEIFS関数の使い所
    • 特定の条件に合致するデータの平均値を求めたいとき
    • 複数の条件を組み合わせて詳細な分析をしたいとき
  • 基本構文
    • =AVERAGEIFS(平均したい範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, ...)
    • =AVERAGEIF(条件範囲, 条件, 平均したい範囲)
  • 実用例
    • AVERAGEIFS(E$2:E$6, C$2:C$6, "営業1部")
    • AVERAGEIFS(E$2:E$6, C$2:C$6, "営業1部", D$2:D$6, "商品A")
  • 効率化のコツ
    • 絶対参照($)を使ってコピー&ペーストで複数条件の計算を効率化
    • データ範囲は固定、条件セルは相対参照にする

AVERAGEIF・AVERAGEIFS関数をマスターすることで、大量のデータから必要な情報を素早く分析できるようになります。ぜひ実際のデータで練習して、使いこなせるようになってくださいね!

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