文字列の結合と抽出を自在に操るCONCATENATE・TEXTJOIN・LEFT・RIGHT・MID関数

文字列の結合と抽出を自在に操るCONCATENATE・TEXTJOIN・LEFT・RIGHT・MID関数

顧客名簿から姓名を結合したり、商品コードから特定の部分を抽出したり、文字列データの加工は実務でよく発生しますよね。手作業で一つ一つ処理するのは時間がかかって大変です。

今回は文字列結合のCONCATENATE・TEXTJOIN関数文字列抽出のLEFT・RIGHT・MID関数をご紹介します。これらをマスターすれば、文字列データの処理が格段に効率化されます!

1. 文字列結合・抽出関数の基本構文

CONCATENATE関数(文字列結合)
=CONCATENATE(テキスト1, テキスト2, テキスト3, ...)
TEXTJOIN関数(区切り文字付き結合)
=TEXTJOIN(区切り文字, 空白を無視, テキスト1, テキスト2, ...)
LEFT関数(左から文字抽出)
=LEFT(テキスト, 文字数)
RIGHT関数(右から文字抽出)
=RIGHT(テキスト, 文字数)
MID関数(指定位置から文字抽出)
=MID(テキスト, 開始位置, 文字数)

2. CONCATENATE関数で文字列を結合する

顧客データを使って、姓名の結合を実践してみましょう。

A B C D
1 フルネーム
2 田中 太郎 =CONCATENATE(B2," ",C2)
3 佐藤 花子 =CONCATENATE(B3," ",C3)
4 鈴木 一郎 =CONCATENATE(B4," ",C4)
結果:「田中 太郎」「佐藤 花子」「鈴木 一郎」
💡 ポイント:CONCATENATE関数では、文字列の間にスペースや記号を入れたい場合は、" "のように別の引数として指定します。

3. TEXTJOIN関数でより柔軟な文字列結合

複数の項目を区切り文字で結合したい場合に便利なTEXTJOIN関数を見てみましょう。

A B C D E
1 商品名 サイズ 商品詳細
2 Tシャツ M =TEXTJOIN("-",TRUE,B2,C2,D2)
3 パンツ L =TEXTJOIN("-",TRUE,B3,C3,D3)
結果:
2行目:「Tシャツ-青-M」
3行目:「パンツ-L」(空白セルは自動的に無視される)

TEXTJOIN関数の第2引数をTRUEにすることで、空白セルを自動的に無視して結合できます。

4. LEFT・RIGHT関数で文字列の両端から抽出

商品コードから特定の情報を抽出する例を見てみましょう。

A B C D
1 商品コード カテゴリ(左3文字) 連番(右4文字)
2 ABC-2024-0001 =LEFT(B2,3) =RIGHT(B2,4)
3 XYZ-2024-0152 =LEFT(B3,3) =RIGHT(B3,4)
ABC-2024-0001
LEFT: ABC
RIGHT: 0001

5. MID関数で文字列の中間部分を抽出

文字列の特定の位置から指定した文字数を抽出するMID関数の使い方です。

A B C
1 商品コード 製造年(5文字目から4文字)
2 ABC-2024-0001 =MID(B2,5,4)
3 XYZ-2023-0152 =MID(B3,5,4)
ABC-2024-0001
MID(5,4): 2024
重要:MID関数の開始位置は1から始まります。「ABC-2024-0001」で年を抽出する場合、「A=1, B=2, C=3, -=4, 2=5」となるため、開始位置は5になります。

6. 実践的な組み合わせテクニックと応用例

メールアドレスの生成

姓名からメールアドレスを自動生成する例:

=CONCATENATE(LEFT(B2,1),C2,"@company.com")

田中太郎 → t太郎@company.com

住所の分割と結合

郵便番号付き住所から都道府県を抽出:

住所 都道府県抽出
〒100-0001 東京都千代田区千代田1-1 =MID(A2,11,3)
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1-1 =MID(A3,11,3)

複数関数の組み合わせ

商品コードから情報を抽出して新しい形式で結合:

=CONCATENATE("【",LEFT(B2,3),"】",RIGHT(B2,4),"_",MID(B2,5,4))

ABC-2024-0001 → 【ABC】0001_2024

💡 効率化のコツ:
  • 絶対参照($)を使って数式をコピー可能にする
  • LEN関数と組み合わせて動的な文字数指定を行う
  • FIND関数で区切り文字の位置を特定して柔軟な抽出を行う
関数 用途 活用例
CONCATENATE 基本的な文字列結合 姓名結合、住所結合
TEXTJOIN 区切り文字付き結合 商品属性結合、タグ結合
LEFT 左端からの抽出 カテゴリコード、名字抽出
RIGHT 右端からの抽出 連番、拡張子抽出
MID 中間部分の抽出 製造年月、都道府県抽出

📋 まとめ

  • 文字列結合・抽出関数の使い所
    • データの整理・加工・分析時の文字列処理
    • レポート作成時の表示形式統一
    • システム間でのデータ形式変換
  • 基本構文
    • =CONCATENATE(テキスト1, テキスト2, ...)
    • =TEXTJOIN(区切り文字, 空白を無視, テキスト1, ...)
    • =LEFT(テキスト, 文字数) / =RIGHT(テキスト, 文字数)
    • =MID(テキスト, 開始位置, 文字数)
  • 実用例
    • CONCATENATE(B2," ",C2) → 姓名結合
    • TEXTJOIN("-",TRUE,B2,C2,D2) → 属性結合
    • LEFT(B2,3) → 商品カテゴリ抽出
    • MID(B2,5,4) → 製造年抽出
  • 活用のポイント
    • 文字の位置は1から始まることを忘れずに
    • 空白セルの処理にはTEXTJOINが便利
    • 複数の関数を組み合わせて複雑な処理も可能

文字列操作関数をマスターすることで、データの整理・加工作業が飛躍的に効率化されます。手作業では時間のかかる文字列処理も、これらの関数を使えば一瞬で完了できます。ぜひ実際のデータで練習して、文字列操作のプロを目指しましょう!

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